前回に続き、五十肩の一つ、「凍結肩」についてお話しします。
凍結肩には3つの時期があり、炎症期、凍結期、解凍期と進行します。
「炎症期」の特徴は安静痛と夜間痛です。
風邪をひいて喉が痛くなった時、「喉が赤くただれています」と医師から指摘された経験がある人は多いと思います。
炎症期の凍結肩も同様で、関節包という靱帯が赤くただれています。
そのために、じっとしていても痛くて夜も寝付けない、動かすなどとてもできないと感じるのです。
中高年世代の肩の痛みの場合、周囲だけでなく医師からも「そのうち治る」「五十肩だから」など、
ひとくくりにされて扱われることも多く、たとえ凍結肩による肩関節の炎症が原因の痛みであったとしても、
十分に理解されずに途方に暮れてしまう傾向があります。
炎症期の治療はあえて肩を動かさず、安静にして痛みを避けることを重視しています。
「動かさないと硬くなる」「痛みを乗り越えた先に未来がある」と、痛くても動かそうとする人がいますが、
実際は痛くてたいして動かせないし、かえって刺激になる恐れがあります。
加えて、できるだけ速やかに炎症を鎮めるため、ステロイド薬の関節内注射や内服を第一に提案しています。
ステロイドは抗炎症効果が強く、一般的な痛み止めや湿布より強力に鎮痛が期待できます。
ただし、糖尿病を悪化させるなど懸念すべき副作用もあるので、患者さんによく説明した上で慎重に投与します。
安静と投薬で速やかに炎症が取れると安静痛・夜間痛が消失し、表情も和らぎ多少ではあるものの動かしやすくなります。
しかし一度炎症を起こした関節包は変質して伸縮性を失い関節周囲にこびりついてしまうため、
炎症期を過ぎても硬さが目立つようになります。この段階が凍結期で、今度はろくに動かせないための
不自由さと動かしたときの痛みに悩みます。
次回は凍結肩の凍結期に対する考え方と治し方について紹介します。
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